
新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
10/29(木)、新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」を見に行ってきました。
開催期間は9/18(金)~11/8(日)、わりと終盤に見に行けました。
田中達也さんは、食べ物、食器、楽器、文房具、衣服など、身近な日常で目にするものを他の何かに見立てて遊び心溢れる世界を表現するアーティスト。
最近また再放送している連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニング映像で有名になりましたね。
新津美術館で過去にも展示をやって見に行ったし、その前は確か今はなき新潟三越でも展示していたと思います。
今回も写真撮影OKだったので、できるだけ写真と一緒に紹介したいと思います。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「なんでも現代美術館」
看板に使われている「なんでも現代美術館」という作品も展示されていたのですが、色んなものをミニチュアの美術作品として美術館に展示すること、それ自体を作品にしていて面白かったです。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
自画像
そして自画像も、綿棒の上に自分が座っているミニチュアになっていました。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「楽器が奏でる食のハーモニー」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「甘いひととき」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「甘い生活」
クラリネットとフルートが厨房に、チョコレートが本棚に、甘いワッフルとパンがソファーに。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
等身大展示作品「甘い生活」
しかもこの「甘い生活」という作品は、等身大のものもあり、実際に座って記念撮影もできる。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「混浴指輪」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「爪楊枝をととのえました」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「便意MAX」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「日頃の疲れも洗い流そう」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「今日も1日ガムばろう」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「弓道ネギ」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「サンドの飯よりサイクリング」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「当分は糖分を控えてください」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」展示作品「桶(おーけ)ストラ」
婚約指輪のお風呂で「混浴指輪」、爪楊枝のサウナで「爪楊枝をととのえました」、ホチキス(ステープラー)MAX針のトイレで「便意MAX」、洗面台のプールで「日頃の疲れを洗い流そう」、ガムのベッドで「今日も一日ガムばろう」、ネギの的と弓道で「弓道ネギ」、サンドイッチの山とサイクリングで「サンドの飯よりサイクリング」、ドーナツのCT検査機で「当分は糖分を控えてください」、桶と洗濯板のオーケストラで「桶(おーけ)ストラ」など、見立てのアイディアも面白いのに、タイトルも駄洒落で遊び心が満載。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
等身大展示作品「メガネでかけ回る」
また、メガネの自転車「メガネでかけ回る」も等身大になっているのですが、田中達也さんはメガネをかけないのに思い付く発想もすごい。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「列車のくみたて」
のり巻き、ホットドッグ、筆箱、ケーキ、リコーダーという異なるものたちを電車に見立てた作品は、ジャンルはバラバラでもちゃんと面白い作品になるという発見が自分でもあったという。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「積み木のくみたて」
また、積み木で町を組み立てて作品のアイディアを考えるということも紹介されていました。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「この波にかける」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「西海岸ではなく腰(ウエスト)コート」
ハンガーの波とサーフィンで「この波にかける」、ジーンズの海岸で「西海岸ではなく腰(ウエスト)コート」も、見立てと駄洒落のセンスが冴えわたっている。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「鉛筆縮めば学力伸びる」
鉛筆の竹と筍「鉛筆縮めば学力伸びる」は鉛筆会社からの依頼で作ったとのことで、竹の成長と鉛筆削りは真逆なんですが…と言いつつ面白いアイディア。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「ひさかたの孫の笑顔に“ニッと”する」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「紅葉の効用」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「みじん斬りを習得中」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「胞子の帽子」
ニットのセーターの麦畑で「ひさかたの孫の笑顔に“ニッと”する」、ワイングラスの紅葉で「紅葉の効用」、ネギと侍で「みじん斬りを習得中」、えのき茸とコック帽で「胞子の帽子」など、見立てと駄洒落のアイディアの面白さはもちろん、まるで映画のワンシーンのような感動すら伝わってくる。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「アイスることを誓います」
ソフトクリームのウエディングドレス「アイスることを誓います」は、そのままハロウィンの仮装にありそうだ。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「街の目印」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「ジム用品」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「交通は社会の基盤」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「究極の美は自然の中にある」
本と付箋のビルと看板「街の目印」、事務用品のジム「ジム用品」、機械の基盤の空港「交通は社会の基盤」、貝殻の陶芸「究極の美は自然の中にある」などは、どれも目の付け所が本当に素晴らしくて、芸術的なメッセージすら伝わってくる。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「カッターつむり」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「修正テープの習性」
また、テープカッターのかたつむり「カッターつむり」、修正テープの顕微鏡に映った微生物「修正テープの習性」などは、ミニチュアに見立てる作品が多い中、拡大した世界に見立てるアイディアも斬新でした。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「ルーズリーフの穴はこうして作られた」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「これぐらいの技は朝飯前」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「菓製婦は見た」
ルーズリーフの穴を雪の上の足跡に見立てた「ルーズリーフの穴はこうして作られた」は雪国の人間としてすごく面白いし、パンを体操のマットに見立てた「これぐらいの技は朝飯前」はアイディアとタイトルの掛け合わせが最高だし、ポテトチップスをアイロンがけする洋服に見立てた「菓製婦は見た」はタイトルはもちろん、ギザギザのポテトチップスと滑らかなポテトチップスを並べて世界を表現するアイディアが凄い。
今更ですが、こういう既製品を用いた美術は、マルセル・デュシャンが便器に「泉」と名付けたことで有名な、「レディーメイド」というちゃんとした美術のジャンルの一つということを初めて知りました。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「おすしがふくをかいにきた」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「おすしがふくをかいにきた」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「えんぴつがカットにやってきた」
そこからさらにアイディアを飛躍させて、お寿司を擬人化して服屋にネタを買いに来る「おすしがふくをかいにきた」、鉛筆を擬人化して散髪屋で鉛筆を削る「えんぴつがカットにやってきた」など、まったく新しい世界すら表現する。
ちなみにこのお寿司のキャラクターは人気らしくて、大きな人形も飾ってありました。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「体が硬い人たち」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「手術を受けるブラックジャック」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「うまいハワイ」
クリップがヨガをする「体が硬い人たち」はクリップの硬い性質をうまく使っているし、「手術を受けるブラックジャック」はトランプのジャックとハートのカードと漫画の「ブラックジャック」をうまく組み合わせているし、「うまいハワイ」はハワイの料理ロコモコでハワイの風景を表現するという、二重三重のアイディアが本当に素晴らしい。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
等身大展示作品「時を刻むドラム」
目覚まし時計のドラム「時を刻むドラム」は、これも等身大で、作品で、本当にこんなドラムが作られたら面白いなと思いました。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「クリーンな環境」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「楽しさマックスマスク」

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「ボタンひとつで絵が完成」
終盤になるにつれて作品のメッセージ性が強くなってきて、あえて土に返らないプラスチックのブラシで森を作った「クリーンな環境」は環境問題を、マスクのプール「楽しさマックスマスク」はコロナ禍を、キーボードを美術作品に見立てた「ボタン一つで絵が完成」AIを、それぞれ風刺をこめて表現しているとのこと。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「戦争反対」
そして普段は人に言葉を伝える紙とペンでミサイルが撃ち込まれたビルの廃墟を表現した「戦争反対」は、普段は幅広い人に受け取ってもらうために政治的なメッセージは込めないと語る田中達也さんが、ウクライナ戦争を受けてどうしてもこれだけは作らないといけないと思って作ったそうです。

新津美術館「田中達也展 みたてのくみたて」
展示作品「プロポーズの切り札」
それでも最後にはトランプのハートを木の葉に見立てた「プロポーズの切り札」で、世界の人達が平和に楽しく暮らせる世界を願ったそうです。
そんな感じで、身近な遊び心から、深いメッセージまで、小さな世界にたくさんの感動が詰まった美術展でした。